1カ月単位の変形労働時間制に関する協定書





長時間労働に伴う残業代の支払いは経営者にとって頭痛の種です。



そこでお勧めなのが「1カ月単位の変形労働時間制」です。変形労働時間制は、1年単位、1カ月単位、1年単位と3種類ありますが、1店舗につき9人以下のスタッフが稼働している場合は、労働時間の特例措置として1週間の労働時間は44時間まで認められていて、その特例措置を有効活用できるのは「1カ月単位の変形労働時間制」だけです。



1カ月単位の変形労働時間制は、1カ月以内の一定期間を平均して週44時間以内にします。「変形期間の法定労働時間の総枠」の計算式は、次の算式に当てはめて計算します。





対象となる期間は、1カ月以内であれば2週間、4週間など自由に定めることができます。

各変形時間の法定労働時間の総枠を計算したのが次の表です。変形期間を1カ月とする場合は、月による暦日数(30日、31日など)の変動に合わせて総枠が変動します。





土・日曜日などの繁忙日には変形労働時間12時間、閑散日には労働時間7時間とうまく調整して、1カ月のなかで平均して週44時間を達成すればよいという制度です。

1週44時間を1カ月に換算すると、月に194時間(30日なら188時間)まで働かせてもよいことになります。

この194時間を、ある日は12時間以上、ある日は8時間、ある日は6時間とうまく割り振って1か月のスケジュールを立て、実際のスタッフの労働時間が、スケジュール通りに月194時間に収まれば残業手当を出す必要がないというのが「1カ月単位の変形労働時間制」なのです。



予定通りにいかず労働時間を超過した場合は、当然割増賃金が必要となりますが、サロンのように曜日によって繫閑の激しい事業所にとっては、均一に9時間の労働をさせるより、変形労働時間制によって働いてもらったほうが、ムダな残業代を抑えることができるのです。



変形労働時間制を採用する場合は、労使協定を結ばなければなりません。また、就業規則にも変形労働時間制について明記しておく必要があるでしょう。細かい取り決めも必要で、法律にも詳しくない人が手続きをするには無理があるかもしれません。社会保険労務士にご相談することをお勧めします。



ただ、繁忙期も閑散期も一律の硬直した労働時間ではムダな残業時間が発生する温床ともなりますので、変形労働時間制という便利な制度があるのだと覚えておいていただきたいのです。労基署に提出する協定書のヒナ型を用意しました。

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